FXを利用した詐欺のニュース
2020年10月19日、FXがらみの詐欺のニュースが報道されました。
共同通信から引用します(黄色はサンタ郎による)。
《外国為替証拠金取引(FX)を巡る架空の投資話を電話で持ち掛け、現金をだまし取ったとして、大阪府警捜査2課は19日、大阪市福島区鷺洲5、自称FXトレーダー、庭瀬翔太容疑者(28)ら男女6人を詐欺容疑で逮捕した。グループが管理していた口座に、だまし取ったとみられる計4億7千万円以上が入金されていたことを確認した。
捜査2課は同日、詐取金を隠匿したとして、東京都新宿区南元町、自営業、向口げん容疑者(25)も組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)容疑で逮捕した。
押収した名簿などから、グループは庭瀬容疑者の指示で今年に入ってから690人以上に電話をかけていたとみられる。
庭瀬容疑者ら6人の逮捕容疑は4~5月、共謀し、岐阜県の30代男性に「FXの自動売買システムのモニターに当選した。必ずもうかる。口座を開設しお金を預けて」などと電話し、約130万円をだまし取った疑い。
実際にトレーダーが使用するスマートフォンアプリの数字を改ざんし、預けた金が増えているかのように見せかけて信用させ、投資を呼び掛けていた。捜査2課は男性がこの他にもクレジットカード決済で140万円をだまし取られたとみて調べている。
向口容疑者の逮捕容疑は5月、別の仲間らと共謀し、グループがだまし取った現金約1300万円をビットコインに替え、隠匿した疑い。〔共同〕》
FXも自動売買も詐欺とは関係がない
このニュースを見たとき
「ああ、これでまたFXは怖いという人が増えるなあ。」と思いました。
自動売買ソフトを無料で提供している私も
もしかしたら詐欺師と見られているのかもしれませんね。
そもそも詐欺罪とは
そもそも詐欺罪とは
「人を欺いて財物を交付(または支払いを免れる)させる」
ことが一つの要件としてあります。
つまり、人を欺くだけでは、詐欺罪に問われません。
人を欺く&財物の移動の二つがセットになって詐欺罪に問われます。
今回のニュースでも
現金をだまし取ったとして
FXの自動売買システムのモニターに当選した。必ずもうかる。
口座を開設しお金を預けて
というように、お金の移動があったことが明白ですね。
口座は誰の口座なのか?
ここで一つ大きな疑問が湧いてきます。
「口座を開設してお金を預けて」という場合の
この「口座」とは一体誰の口座なのでしょうか??
「口座を開設してお金を預けて」なんてセリフは、銀行員なら必ず口にする言葉です。
銀行員はそれだけでは逮捕されはしません。
普通に考えれば、口座の名義は被害者自身の口座のはずです。
そうであれば、今回の犯人も「詐欺罪」で逮捕されることはないはずです。
考えれることは2つ
口座の名義が被害者本人のものであったと仮定すると
通常、詐欺グループもその口座から現金を引き出すことはできません。
もし現金を引き出すことができるとしたら
パスワードや暗証番号などを被害者自身が詐欺グループへ教えていたのでしょう。
しかし、口座に関係する情報を他人に知らせるバカが多いとは思いたくありませんし
犯人グループも、そんな疑わしいやり方をするとも思えません。
おそらく、この事件の肝は
犯人グループが
①架空の証券会社のHPと入金口座を準備した。
②トレード用のアプリも開発した。
③被害者は犯人グループの用意したニセ証券口座に入金
④入金額を確認した犯人グループが、アプリの数字を反映
⑤アプリの残高表示も犯人グループ側で改竄
という、アプリを駆使した詐欺であろうと考えます。
FXも自動売買も詐欺とは関係がない
今回の事件は
たまたま、入り口がFXや自動売買だったりするだけで
実際のところただのHPやアプリで偽装した投資詐欺であり
本質のところでFXも自動売買も詐欺とは関係がありません。
「詐欺にあわないために」FXから距離を置くというのは全く馬鹿げたことです。
「詐欺にあわないために」すべきことは
見ず知らずの人にお金を預けない、運用を任せない
ことに尽きます。
逆に、見ず知らずの人にお金を預ける、運用を任せる
という意味で
投資信託とかイデコとか年金とかのほうが
本質的に詐欺にあいやすいことになります。
お気をつけください。
ではまた。