独り言 父の趣味

英語力はたった2つの文章を理解するだけで、飛躍的に伸びる話

英語は好きですか?

日本人は英語を「勉強する」のが好きです。

ですが、英語話者が日本で急増中とは聞きません。

それもそのはずです。

 

話すのが好きなのではなく「勉強するのが好きなのですから」

いきなり皮肉めいてすみません。

私もしゃべれないくせに。

 

それはさておき、私はかつて強烈に英語を敬遠していました。

好きとか嫌いとか以前に、中学生の時に英語君を見失ったまま、

再会までに時間がとてもかかりました。

 

そんな英語が苦手だった私を救った2つの英文を紹介します。

 

これが、あなたや、英語で苦しんでいる人の役に立てば幸いです。

その1

He is but a child.

 

どういう意味かわかりますか?

どれも簡単な単語です。

 

私は20歳くらいまで、よくわからなかったことを申告します。

 

「彼は、しかし、子ども」

日本語で意味は通るといえば通りそうですが(笑)

前澤さんは、しかし、子ども

みたいな。

正解は「彼は子どもにすぎない」という意味です。

 

この問題を、うぶな私に出してきた人の顔を、今でも覚えているような覚えていないような

しかし屈辱感だけは忘れてはいません。

 

この文章のキモはもちろんbutです。

「しかし」「でも」と逆説的に使うほか

〜以外」という意味を知っているかもしれません。

He is but a child.

彼は子ども以外です。

では違うらしい。

 

ここでのbutはonlyjustに近い意味なんだそうです。

He is only a child.

He is just a child.

彼は子どもにすぎない(ただの子ども)という見下した感じが、これなら理解できますよね。

 

ここで、かつての無知な私は

「butちゅう単語はいっぺえ意味があんだなあ。びっくりしたぞ」程度でしたが

 

この文章で腹落ちしたのが

単語に意味がたくさんあるという理解はバカだ

英語は置かれた位置で役目が異なる

役目とは品詞のこと

逆説のbutは「接続詞」なので、そのあとに主語や動詞などによって、新たな一つの文章が必要

「〜以外」のbutは「前置詞」と呼ばれ、名詞の前に置かれなければいけない

前置詞群(on the tableとか)は、副詞(状況説明や程度を示す)的。

・He is but a child.

は、He is a childという完全な文が一つだけ含まれているため

but は a childを補足説明する副詞っぽいから

「しかし」でも「〜以外」でもない。

ということです。

 

英語の専門家からしたら、不十分な説明かと思いますが

この一文から得た情報は多大です。

 

2つ目は

All you need is love.

ビートルズの曲で有名ですね。

邦題は「愛こそすべて」です。

 

全部、あなたが必要なのは、愛

悪くないだろう。

嘘です。

 

ひとつの英文には、主語はひとつなので

日本語で考えると主語は「あなた」です。

しかし、この英文の主語は「All」です。

文の骨格は

All is love.です。

ぜーんぶが、愛です。

 

意味わからないですが、英文自体は正しい。

 

この文章のyouは主語ではなく

needも主語のAllの動詞ではありません

 

Allという抽象的な主語の名詞を

詳しく説明(形容詞みたいな役割)しているのがyou need というかたまり

これが悪名高き、「関係詞」というものです。

 

英語は「後置修飾」という

前の名詞を、後ろでダラダラ説明するのが好きです。

なので日本語に意訳すると

「あなが必要とするものリストに載っている全てが、愛である」

「愛しかあなたは必要としない」

「愛こそすべて」

なのですね。

 

つまり

You need only a love.

と言ってもいい。

たったひとつの愛が、必要ですね」と。

 

Allというと「たくさん」「豊富」なイメージですが

逆に「しか」という種類の少なさも表現していることを味わってください。

 

例えば

All I hate is cockroaches.

と言えば

俺の嫌いなものリストに載っている全てはゴキブリだ

つまり、ゴキブリだけが嫌い、ゴキブリしか嫌いじゃない

みたいな感じ、感じてもらえますか。

 

また

All you need is love.

をさらに別に表現すると

You need nothing but a love.

「あなたはひとつの愛以外はいらない(あなたはnothingが必要、愛以外ね)」

前置詞のbutが活躍しているのにも注目です。

 

ついでに

All you need is love.

という英文と

You need all love.

(あなたは(この世にある愛という)愛のすべてが必要)

が似て非なるものだということを確認しましょうね。

 

この

All you need is love.

You need all love.

の対比は、リスニングにも有効です。

 

英文を頭から理解(読みくだしていく)することと

リスニングをすることは同じことだからです。

 

「All」と聞くと人は

「All」??と得体の知れない集合体をぼんやりイメージします。

次に「you」と聞こえることで

「あなたに関する何かのすべてのもの」のことなんだなとぼんやりイメージします。

次に「need」と来て

「あなたが必要とするすべてのもの???」とまだまだよくわかりません。

次に「is love」で

「あー、あなたが必要とするすべてって、愛なのね」と

ALLがLOVEの集合体というイメージが浮かびます。

そして、「結局、あなたが必要なことの全てって、愛だけなのよね」と。

 

一方で

いきなり「You」と来れば

もちろん人間がイメージされます。

「need all」と続くことで

人間が色んなものを全て欲しているイメージがわきますが

「で、全てって何?何?何?」「love」

「愛かー」と。

 

この2つの英文は

常に当初から頭の中に「???」マークが浮かんでいて

最後の最後の単語を聞くことで「???」マークが氷解するようになっていて

結論を最後まで引っ張るというか「ためる」というか。

 

よく「日本語は動詞(述語)が最後に来るので、最後まで聞かないと結論が分からない」

などという批判を目にしますが、英語だって似たようなものです

(頭でっかちの主語はダサいという感覚が英語にはあるはありますが)。

 

必ずクリスマスに流れる代表曲である

マライアキャリーの曲名は

All I want for Christmas is you です。

ここまで読んでもらったならば、簡単に意味が理解できると思います。

最後の「you」が発音されるまで

こいつが一体何を求めているのか判明しないストレスを感じることができます。

「クリスマスに欲しいのはア・ナ・タ だけ うふ」

でした。

 

それではまた。

-独り言, 父の趣味