不動産業界の実務に携わるまで
道路について考えたことなど
ほとんどありませんでした。
宅建のテキストには
「幅員(ふくいん)4m以上の道路に2m以上接面していないと建物が建てられない(接道義務)」
みたいに書いてあるのを読んだときも
へえ
程度の感想しか持てず、ただ暗記をしたものです。
今もって、道路を見て4mなのか6mなのか8mなのか
すぐにはわかりません(笑)
なぜ4mなのかについて一番良く聞くのが
「消防車や救急車の車両が入れる(すれ違える)ように」
というもっともらしいものです。
個人的には、別に最悪すれ違えなくてもいい気がしてますが
人命に関わることらしいので、ごにょごにょ。
実は、この接道義務を満たしていない土地って、めちゃくちゃあります。
はじめから道路に接していない場合もあれば
相続や遺産分割によって所有者が交代し
道路に接面しなくなってしまうようなこともあります。
すると、基本的にそうした土地は「再建築不可」という烙印を押されます。
ある人は僕に言いました。
「なんで自分の土地に自分の家建てちゃいけないんだよ」と。
ごもっともです(笑)
私もあんまり反論はしませんでした。
「それはね所有権と公共の福祉とのバランスで…」
とか言ってもつまらないからね。
素直な彼が悪徳業者に騙されないのを祈るばかりです。
ちなみに、建築許可なく建てちゃって、
取壊しを命じられたという話を私は聞いたことがありません。
1件あったかな?
かなりレアです。新聞に載るレベルの。
是正の勧告・指導・命令みたいなものは多少あるかと。
でも、その数だって多くはありませんよ。
やはり所有権VS行政介入という
本質的でデリケートな問題があると思います。
黙って建てちゃっても構わない、という話ではないですからね。
私の師匠はかつて
「不動産はな、1に道路2に道路、3、4も道路で5に道路だ」
と言っていました(笑)
冗談で言ってましたが
それくらい不動産の価値については道路が大切だぞ
という意味では本気だったと思います。
私はやはり最初はピンときませんでした。
実務のなかで、ジワジワとくるんです。
道路の大切さが。
前面の道路の幅によって
建築が可能かどうかはもちろん
建てられる建物の形状にも影響があります。
道路の権利についてのトラブルも多いですしね。
まあ、宅建の試験で細かい道路の知識は問われません。
ただ、道路についてだけで本が何冊も出ているくらい
奥が深いことだけ知っておいて下さいね。
不動産を買うときも、道路の知識がないと失敗するかもしれませんからね。
ではまた!!