ラーメンには1杯1,000円の壁があると言われています。
確かに、1杯が50,000円するラーメンというのは聴いたことがありません。
最高級の食材を使用して、付加価値をつけるだけつけたら
50,000円のラーメンも生み出せるかもしれませんが
お金を出して食べる人はいなさそうです。
なぜかといえば
1,000円よりも高いお金を払うのは「ラーメンにしては高い」と思う心理と
50,000円もあったらラーメンを1杯食べるよりも他の楽しい体験ができるだろうという心理の
両方が消費者のなかに生まれるからですよね。
不動産投資をする際に注意しなくてはいけないのが
物件価格と家賃の関係性です。
物件価格が10,000万円で月の家賃が50万円(年間600万円)だと
利回りは6%ですが
バブルの影響で物件価格が20,000万円に倍増したからといって
家賃を100万円にすることは極めて難しいです。
専門用語で
「賃料の遅効性」なんて言い方をする場合がありますが
要するに
物件の価格変動のダイナミックさに比べると、
賃料の変動は遅い(保守的)ということです。
理由としては
賃料を払って住んでいる借家人は、貸し手よりも経済的に弱い場合がほとんどのため
弱者である借家人は保護されるべきという借地借家法の理念もあって
賃料の増額の訴訟は、「2倍にして」というような要求が
そのまま認められることはほとんどありません。
また、借り手側にも(いくら借り手側がお金持ちでも)
「家賃として払うなら30万、50万、100万、300万が限度かな」という思いがあります。
「それだけ払うなら、買ったほうがいいかな?」と。
年間600万円を払えるのならば、35年間ローンで年間600万円返済すると
単純計算で、総額21,000万円になります。
ですから、物件価格が10,000万円から20,000万円に倍増しても
借家人から2倍の賃料を徴収することは実現可能性が、とても低い。
もちろん、10,000万円で取得した不動産が20,000万円に倍増したのであれば
いい買い物をしたのは間違いないわけで、売ってしまえば相当な利益になります。
(税金も相当ですが)
逆に、賃料は、0円になることもないわけで
東京の賃料の底値が35,000円くらいだとして
地価が東京の1/10の地方のアパートなら
家賃が3,500円になるかというと、そんなことはないわけでして
20,000円くらいは取れるでしょうか。
それゆえ、不動産投資で考えるべきは
取れそうな賃料の上限
ではなく
最低でも取れそうな賃料の下限をベースに
試算をすることです。
新築ワンルーム投資における
業者の提示してくる賃料は
「徴収しうるもっとも高い賃料」をベースにしており
父の考えと真逆であり、新築ワンルーム投資がいかに危ういかが理解できましょう。
ここまで書くと、では
「地方の中古の一棟(または戸建)投資が良い」のか?
と疑問に思われるかもしれません。
それについては、また別の機会に書くとします。
今回は、物件価格は変動幅が大きいけど、家賃は違う、とだけ覚えてください。
ではまた。