親愛なる君たちへ
君たちもいずれは大学に進学することだろうから
父のその時の体験談を少し書きます。
宅建受験の役にも少しは立つかもしれません。
父は
とある事情から、W大学のとある学部へ
ピンポイントで入学しようと決めました。
アルバイトばかりしながら
ふらふら海外ロックミュージシャンの
ライブばかり見に行っていた時期です。
受験勉強というものから離れてだいぶ時間が
たってしまいました。
しかし、父はその学部に入ることに決めたのです。
季節は10月になっていました。
どうすれば残りの少ない時間で突破できるだろうか。
もちろん独学です。
色々な本を読み漁り
英語・国語のほか
社会は「政治経済」で受験することにしました。
日本史や世界史と比べると
選択する受験生が少なく
それゆえ基本的な問題が多く、得点しやすい。
などなど、多くのメリットがあったからです。
とにかく父には時間がありません。
アマゾンや大型書店をまわり
タイトルに「大学受験 政治経済」と含まれる
参考書・問題集を、全て買いました。
貯めていたアルバイト代で。
手に入る限り「全て」です。
当時で40冊弱でした。
これが、日本史や世界史なら40冊では済まないでしょう。
何百冊・何千冊とあるはずですから。
でも政治経済は、全て買っても40冊。
それくらい大学受験において「政治経済」という科目はマイナーです。
予備校に通う費用を考えたら安いものだと考えました。
とりあえず、全ての本をテキトーに最初から最後まで読み通しました。
テキトーがポイントです。
書いてある内容はほとんど一緒です。
「また同じこと書いてあるよ」と思うことは避けられません。
そして父は、ある一冊の参考書を核とすることにし
他の本を読み、「あ、これ初めて」と思うところだけを
どんどん核となる参考書に書いていきました。
つまり、一冊の本に情報を集約化したのです。
一方で、資格試験と違い、大学受験では過去問演習は
さほど有益ではありません。
そこで父は旺文社から出版されていた
去年大学入試で出題された政治経済の全ての問題を集めた問題集
をやりました。
これも科目が科目ですから、扱っている大学が少なく
他の教科に比べたら、信じられないくらい薄いのですね。
一問一問、各大学の問題を解いていきます。
どの大学も同じような問題を出していることがわかりました。
そしておそらく、繰り返し出される問題こそが
政治経済という科目において重要な問題なのだと
いうくらいのことは、父でもわかりました。
ひと通り全ての問題に目を通すと
「俺以上に政治経済を勉強している受験生はいないはずだ」
という自信が湧いてきました。
そして年が明け、関西の有名大学(関関同立のどれか)の入試問題が
ネット上に公開されました。
15分くらいで解きました。
100点満点でした。
分からない問題が一問もなかったからね。フフ
父は英語が苦手でした。
関係代名詞とか「???」って感じ。
でも、社会科で100点に近い得点ができれば
英語と国語は40点でも合格できるのが文系私大受験です。
そういう戦略のもとに、無事、父は本命の学部を突破しました。
受験料がもったいなくて、すべり止めは同じ大学の別学部ひとつだけ
という背水の陣でした。そちらも合格していました。
今思えば、
なにもあそこまで政治経済をやりこまなくても良かったとは思いますし、
ひとにオススメできるやり方でもありません。
体力と時間だけがムダにあった若さゆえにできたのでしょう。
でも他のひととは違う極端なことをやることで
見えてくるものがあるのも事実です。
たかが大学受験
たかが宅建試験
ですが
人の行かない裏道にこそ花があるということは本当だと思います。
大学受験で1教科につき40冊近くの本を買い込んだアホがいる
と思えば、あなたが宅建で使う
テキスト1冊・過去問集1冊くらい
なんてことない気がしますよね?
しませんか(笑)?
せいぜい合計1,000ページくらいです。
頑張りましょうね。
ではまた。