子育て 父のレシピ

子どもに伝えられるのは味覚だけ 料理のレパートリーを増やそう

コロナの外出自粛のせいで

自炊を余儀なくされることが非常に多くなりました。

 

我が家でも、2人の子どもが約2ヶ月ほとんど家にいたため

家族4人分の食事を毎日3食(プラスおやつ)を用意しなければいけなくなりました。

 

ネットには、世の奥様の

「いい加減、ひとが作った料理が食べたい」という叫びもあります。

 

いまの我が家では、基本的に料理を準備するのは父である私の役割なので

この2ヶ月で控えめに言っても150食分は作ったと思います。

夕飯だけつくっていればよかったこれまでの約半年分に当たります。

 

レパートリーなんて、なくなりますがな。

 

子どもが親から引き継ぐものは味覚だけ

あまり知られていないことだと思いますが

子どもが親から引き継ぐもっとも代表的なものは味覚です。

あと宗教かな?

 

言語なども引き継いでくれそうに思いますが意外にも

子どもは家庭で親が話す言語よりも、外の友達の話す言語を話すようになります。

 

両親が中国人であっても、日本で生まれ、日本の学校に通う子は、日本語を話します。

親の言っていることは理解するけど、返事は日本語だと

私の周りの中国人はいいます。

 

子どもは親の遺伝子の影響をかなり強く受けること

そして、友人との関係性のなかで性格は形成されるため

親の言うことなどは聞かなくて当たり前、親ができることは環境を与えることくらい

ということは下記の本でも触れられています。

 

橘玲『言ってはいけない 残酷すぎる真実』新潮新書

 

松本人志さん作詞の「チキンライス」という曲は

お金持ちになって七面鳥でもなんでも食べられるようになったけど

なんだかんだいっても貧乏で親に気を使って注文していた安いチキンライスがいい

という歌ですね。

 

マクドナルドが子どもへの売り込みに力を入れることで

生涯の顧客にしようとしていることも有名です。

 

親の宗教もかなりの確率で子に引き継がれるでしょうが

我が家は無宗教なので

結局のところ親が意図的に受け継がせられるのは味覚だけ

ということになるでしょう。

 

つまり、いま私が作るご飯が

子どもたちの味覚を一生を左右するのですね。あら大変。

 

食育なんて知らないよ

子に与える日々の食事が

その子にとって生涯にわたり影響を及ぼすことから

「食育は大事」と言われます。

大事か大事じゃないかと問われれば、そりゃ大事でしょう。

 

しかし私は決して

食品添加物がどうだ

遺伝子組み換えがどうだ

オーガニックがどうだ

体に悪いものは与えない、とは思いません。

 

いくら子ども時代に「ヘルシー」な食事だけを与えたとしても

大きくなれば小遣いで勝手にジャンクなものを食べるに決まっています。

むしろ、親の健康志向が強ければ強いほど

反発する可能性も大きい。

 

味覚は受け継がれるけれども、健康志向は受け継がれない

と考えて(あきらめて)食育をした方がいいのではないでしょうか。

 

味つけよりもレパートリー

味覚が受け継がれるということを言い換えると

「味覚は保守的だ」ということだろうと思います。

人間は幼い頃に食べたものを、大人になっても食べる。

 

そうであれば、親が子にすべきは

鰹節と昆布で出汁をとった味噌汁を毎日提供するよりも

インスタントでもいいから

味噌汁、ミネストローネ、わかめスープ、コーンスープと

各国、各地域のいろいろな料理を食べさせてあげることかと考えています。

 

大人になり、誰かに食事を提供してもらったときに

今まで一度も食べたことがないという理由で

手をつけないような大人になってもらいたくはありません。

 

なんでも食べる。

不思議な見た目でも食べてみる。

どうせ味覚が保守的であるならば

食への好奇心というものを植えつけてあげるのが食育の目的の一つでしょう。

 

もちろん、ヘルシーかつ多様なものを提供するのが理想でしょうが

理想は理想。現実的に無理なのですから、肩の力を抜いて今日もご飯を作りましょう。

 

先日は、デカい豚バラ肉を買ってチャーシューを作ってみました。

味付けは醤油と酒だけなので、やたらとしょっぱかったけれど

塩ラーメンに入れたら丁度よくなりました。

息子はフライパンを見て一言「すげー」。

めでたしめでたし。

ではまた。

 

-子育て, 父のレシピ