借地借家法(しゃくちしゃっかほう・以下借借法)
ずっと「しゃくちしゃくやほう」かと思ってたサンタ郎です。
どっちでもいいのかもしれませんが。
業界の人が「しゃくちしゃくや」と言うのはあまり聞きません。
ちなみに「競売」もほとんどの人が「きょうばい」
と読むかと思いますが
不動産で使う場合は「けいばい」です。
話はもどって借借法。
以前は
「借地法」
「借家法」という
2つの別の法律でした。
細かいことは省略します。
以前の2つの法律であれ
統合された借借法であれ
借り手の保護
という基本路線に変更はありません。
本来であれば、契約は当事者の自由なので
貸し手と借り手は対等な立場であるはずです。
その民法的な原則を、特別法としてしばりをキツくしているという点に着目です。
我々が借り手であれば
実にありがたい法律ではあります。
でも、借り手保護ということは
反面で
貸し手にはかなりキツい法律です。
借借法になる前(1992年以前)は特に。
借り手の保護が手厚すぎて
事実上
一度貸したら貸したっきりで
ナカナカ手元に戻せない
という状況が発生していました。
今もあんまり変わりませんが。
借り手の保護が厚いと
なにが起こるかというと
地主や家主が貸し渋るに決まってます。
借りたい人がいる
貸したい人もいる
なのに法律が借り手保護に厚い。
貸し手が渋り、供給が減る
借りたい人が借りられない
となると
誰もハッピーじゃなくなっちゃうんですね。
需要と供給は潜在的にあるのに
契約が実現しない。
そうした問題を解決するため借借法で導入されたのが
「定期」という概念です。
貸したい土地
貸したい部屋
があるにも関わらず
一度貸してしまえば
事実上
半永久的に貸し続けないといけないことが多かったため
特に地主は
土地を貸し渋ってしまいがちでした。
そこで
1992年の法改正で生み出されたのが
「定期借地」
「定期借家」
というものです。
簡単にいうと
あらかじめ貸借の期間を決めておき更新はしない!!
ということです。
30年の定期借地であれば
30年たったら退去しなければなりません。
よほどのことがない限り延々と更新していく
以前の普通借地契約からすると
「定期借地契約」
は地主の心理的負担をいくらかではありますが緩和してくれました。
では、現在
「定期借地」
「定期借家」
は普及しているのでしょうか??
残念ながら
答えはNOだと
感じています。
一時期
定期借地マンションというのが流行しましたが
現在ではあまり人気はありません。
私は借地でいいと思うのですが
大半の方は「所有権」がいいらしいのですね。
システムが変わっても
人間の心理というものに
あまり変化は起こらないのだなあ
と思う今日この頃でした。
ではまた。