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賃貸物件必勝マニュアル 後悔しない部屋の借り方 5つの鉄則 3・4・5

chintai

 

こちらを読む前に必ず1〜2はこちらをお読みください。

 

鉄則その3

担当を味方につけなさい

「こっちはお金を払う客だよ?営業が尽くすべきだろう」 

という考え方は、とりあえず置いて下さい。 

ほとんどの営業さんは尽くしてくれますから! 

 

鉄則その1を押さえてくれたあなたなら分かってもらえると思います。 

賃貸仲介業は、薄利多売です

薄利多売ということは 

「駄菓子屋」と一緒なんです。 

「ブルガリ」ではないんです。 

駄菓子屋で、愛想のいいお婆さんなんていましたか?? 

買わなくても見てるだけでニコニコしてくれるお婆さんでしたか??

ニコニコお婆さんが駄菓子屋さんだったあなたは幸せ者です。 

でも、ほとんどの駄菓子屋経営者は、万引きに頭を悩ませ

致し方なく子どもの動作に目を光らせざるを得なかったのではないか、と今になって思います。 

話がそれましたね。 

 

あなたのお部屋探しをお願いする業者は、

売買も手掛けていたとしても、

賃貸専門であればなおさら

駄菓子屋的な余裕のなさがつきまといます。

 

業者にとって一番イヤなこと 

せっかく来店してくれたあなたを逃すこと 

つまり、情報提供だけして成約には至らない 

もっと露骨に言うと、他の業者に成約されて 

仲介手数料をとりこぼすことです。 

 

鉄則その1を押さえてくれたあなたは分かってくれますよね。 

もしかしてあなたは

しつこい営業電話を受けたことがあるかもしれません。 

逆に、どうして営業さんがあなたに電話をするかというと、

あなたを他の業者に取られたくないからです 

 

できれば、というか何が何でも 

ウチで契約してほしい(仲介手数料がほしい)」と思うからです。 

歩合給であることが多い賃貸営業さんです。 

売上をあげるべく、仕事をしている人間としては 

当然の心理だと思います。 

 

では、あなたはどうすれば良いのか?? 

解決策は一つしかありません 

あなたが 

「私はあなたから逃げません。

ちゃんと、最後までお世話になって、あなたからの仲介物件を契約するつもりです」 

というメッセージを担当さんに送ることです。 

 

逃げようとする姿勢が見え隠れするから、追うのです。 

このようなメッセージを陰に陽にしのばせるだけで 

担当営業は、グッとあなたを信頼します。 

「時間はかかるかもしれないが、必ず売上に繋がる」 

と思わすことは、必ず営業のモチベーションを上げます 

 

薄利多売の賃貸営業なので

あまりダラダラ時間をかけて物件を探すことは可哀想ですが 

あなたで決める!」という意思表示をすることで 

なにかと忙しい営業から 

優先的にいい情報を流してもらえる確率がアップします。 

 

「いい情報」?? 

どのお店に行っても、95%紹介してもらえる物件は変わらない。

 と言いました。

 

ただし、残りの5%は、お店によって違ってくるのです!

残りの5%とは 

インターネットに出していない物件や 

まだ 

広告に出していない物件情報の存在です。 

ぶっちゃけて言うと 

本当に人気の、良い物件なら 

広告活動やインターネット掲載をする前に成約してしまいます! 

 

業者としても 

手間とお金をかけずに成約できれば利益も大きいです。 

まず広告活動をする前に借り手を見つけるよう努力するものです。 

 

そういう物件情報は、実際に店舗に行かないと 

なかなか紹介してもらえません。 

 

次に、そういうネット未掲載の優良物件を多数取り扱っているお店の見分け方ですが 

それは、分かりません。。

 

ネットに「ネット未掲載の物件多数」と書いてあるお店はあります。 

傾向として言えるのは、ショボそうな店舗には少ない、 

ということくらいです。 

わりと若手の会社は、頑張って、他の業者さん取扱いの優良物件の情報を入手したりしています。 

ともあれポイントは、お店に行って、担当営業を安心させて下さい 

 

安心させないから、逃がすまい、早く決めさせようとなり、

結果、あなたも不快になってしまいます。 

担当さんと合わなかったら 

「担当さんを変えてもらえますか」と言ってみましょう。 

業者としては、逃げられるよりずっとマシだと考えるでしょう。 

業者の雰囲気が馴染めなかった場合

キッパリ「他の業者に行くので連絡しないで下さい」 

と伝えてあげてください。 

お互いの時間の節約になります。 

 

とにかく重要なのは 

その業者で契約する意思があるかどうか」の表明です。 

それができれば、担当を味方につけることができます。 

 

鉄則その4

予算をキッパリ伝えなさい

例えばあなたの予算の上限が10万円だとします。 

業者に行くと、たいていはアンケートの記入を求められ予算を聞かれます。 

おそらく「9~10万円」って感じで記入することでしょう。 

そうすると、面白いことに業者は 

12万円とかの物件を紹介してくるんですよね(笑) 

「9~10万円」だって書いてるのに。 

 

もちろんそれには理由があります。 

「9~10万円」の数字が読めないのではありません(笑) 

いくつかあるうちの3つを紹介しておきます。 

まずは、その12万円の物件は 

「両手」物件かもしれませんよね? 

報酬が倍になる可能性があるので、ダメもとで。 

次は、片手だけどより高い仲介手数料をもらう為に 

これもダメもとで、ということ。 

予算が1万円とか2万円オーバーくらいなら 

例えば 

「タバコをやめれば月に1万円くらい浮かせられる」 

「少し残業すればなんとかなるかな」 

「1万円足せば、よりいい部屋に住めるのか」 

という気にお客さんがなったりすることが多いんですよ。

ですから、とりあえずは、紹介するんです。 

 

次は、高めの家賃の部屋のグレードを見せることで 

あなたの予算では、これくらいがせいぜいですよ 

と自覚させ、ある意味、諦めてもらうためです。 

「10万円で3LDKを希望していたけど 

12万円で3LDK、10万円では2LDKなのか」 

みたいな感じです。 

 

業者さんは、結構クレバーに 

「高めの報酬」「よりスピーディーな成約」 を目指して、

合理的に行動しているのが分かりますよね。 

 

そういう予算外の物件を見るのも面倒だと思うあなたは 

ぜひ予算の伝え方を変えてみてください。 

ポイントは「キッパリ」です。 

「予算9~10万円」と伝えると業者は11.5万くらいまで 

はイケる可能性ありと踏みます。 

これは伝え方が「あいまい」だからです。 

どうすれば良いかというと 

希望家賃が9万円、上限が10万円なら 

そのように伝えて下さい。 

「9万円を切るのが望ましいが、頑張っても10万円以上は1円も出せない」と。 

もしくは 

「10万以上出すつもりは0だから、紹介しなくて結構」と。 

そのような「キッパリ」としたあなたの要望を無視して 

10万円以上の物件を何度も紹介してくる担当なら 

変えてしまって下さい。 

お客様の意向を無視して、売上のことしか頭にない 

業者は淘汰されるべきでしょう。 

 

もちろん、10.1万円だけど、一度あなたに紹介したい物件も出てきますから 

そこは担当の思いも見定めてあげてくださいね。 

 

鉄則その5

家賃・敷金を値切るな

引っ越しをするときの初期費用って、高いですよね。 

前払い家賃1か月分・敷金・礼金・仲介手数料・引っ越し費用等々。 

10万円の物件を借りるのでも60万円を超えることもザラです。 

ですから、部屋を借りる誰もが、

初期費用を下げたい、家賃の値下げをしてもらいたいと思うものです 

言うだけならタダだとばかりに、あなたは担当に 

「家賃下がらないか交渉してみてよ」 

と言うとします。 

交渉してくれると思いますか?? 

 

もう一度鉄、則その1の内容を思い起こして下さい。 

業者の売上は、家賃を基にした 「仲介手数料」でしたよね。 

契約家賃を下げる交渉というのは 

つまり 

「自分たち業者の売上を下げる交渉」 

にほかなりません!

やる気、出してくれるはずありませんよね?? 

あなたは何気なく 

「家賃を下げて」と言ったつもりでも 

担当にとっては 

あなたの売上を下げて」と聞こえるのです。 

多くの業者では歩合給が導入されていますから 

あなたの「家賃下げて」の交渉依頼は担当の首を絞めているのも同然なのです。 

 

また、別の角度からも説明します。 

あなたの借りようとしている物件と業者と大家の 

関係には大きく2つあると、図で説明しましたよね。 

 

1のパターンだと 

あなたの担当と大家は、仲がかなり良いです。 

大家さんの依頼を直接受けていますから。 

で、大家は依頼のときに業者にあれこれと条件を付けていることが多いです。 

「家賃の値下げには応じない。敷金の値下げにも応じない。礼金の5000円減額くらいは応じる」 

みたいに。 

そしてあなたが担当に 

「家賃下げてもらえるよう、大家と交渉してもらえませんか?」と聞くとします。 

担当は 

「ん~。わかりました。かなり厳しいかもしれませんが掛け合ってみましょう」 

とか言います。 

実際は、ほとんど掛け合いませんよ(笑) 

だから、業者は信用できない、と思わないでください。 

なぜなら、あなたの要求は 

大家からの条件に全く合致していないのです。 

大家の立場になって下さい 

どうして自らではなく、

業者に「広告宣伝料」を払ってまで募集のお願いをしているかと言えば 

それが効率的なのはもちろん、アレコレの交渉が面倒だからです。

いちいち交渉したくないから代行(仲介)してもらってるんです。 

なのに、いちいち業者から 

「お客さんが家賃下げてと言っているのですが」 

と連絡来たら、私なら腹立ちますよ(笑) 

そういう手間が嫌だから、お金を払う約束でお願いしているし、

あらかじめ条件も伝えておくのですよね。 

 

もう一つのポイントは 

業者にとって 

あなたもお客様には違いないけれど 

大家はもっと上得意のお客様だ 

ということです。 

あなたは1回だけの縁かもしれません。仲介手数料も1.10か月分です。 

 

一方大家は、お客を入居させるのがうまいと思ってくれたら

他の物件も預けてくれるかもしれません。 

また、物件の管理を依頼してくれて、管理手数料まで見込めるかもしれません。

広告宣伝料は数か月分かもしれません。 

そう考えると、大家の意向を無視する業者など、普通はいないのです。 

 

さて2のパターンでは 

あなたの担当Aが問い合わせるのは 

大家ではなく、大家側にいる別業者Bさんです。 

担当Aは大家の連絡先なんて知りません。 

もちろん、業者Bは1のパターンのように大家の意向を直接知っていますから、即答です。 

「ムリ」と。 

結果的に1のパターンと大差はありません。 

で、あたなには、あたかも大家のセリフみたいな感じで 

「交渉の結果ムリでした」と伝えられます。 

別に交渉でもなんでもないんですけど。 

 

あなたに勘違いしていただきたくないんですが 

これは別に業者があなたに意地悪しているのではないんです。 

業者も、板ばさみで、基本的になす術ないんです。 

 

そして何より知っていて欲しいのが 

ほとんどの大家はぼったくっていません 

大家というものは、それなりに不動産にも詳しいですから相場に沿った価格設定をしています。 

なにより大家が一番イヤがるのは「空室」です。 

収入がゼロの期間が長引くのはもちろん

人の手が入らない家屋というものはどんどん荒れていき 

ますます入居が困難になりますから 

大家は一刻もはやく入居してもらいたいと願うのが普通です。 

ですから、かなりギリギリのラインまで低価格の設定をしていることが多いと思います。 

殿様価格、みたいなことは、滅多にありません。 

 

そういう物件に対して「家賃下げて」 

というのは、かなり酷な要求なんです。 

わかって頂けましたでしょうか? 

 

「家賃を下げる」というお願いは 

業者にとっても大家にとっても、通常あり得ない要求だということが。 

 

次は敷金についてです。 

敷金は関東か関西かによっても性質が大きく異なりますが 

もっとも基本的なものは、あなたの家賃不払いの際の「担保」です。 

大家はリスクを負っていますので、家賃が払われなかった場合、

敷金から充当することができるのです。 

ですから、家賃不払いなどなく、普通に暮らしていれば、退去時に全額戻ってくるのが原則です。 

そういう担保としての性格を有している「敷金」ですから 

「敷金をまけて」との要求も 

ほとんどの場合、認めてもらえません。 

一方的に大家がリスクを背負うだけですから 

そもそも交渉とも言えません。 

 

なにより、そこまでお金に困っている人に 

家を貸したくない、という気にさせるだけです(笑) 

 

では、どうしたら初期費用を少しでも下げられるのでしょうか? 

目に見える金額を下げるのは 

せいぜい「礼金少し安くなりませんか?」くらいだと思います。 

大家から「礼金5,000円負けまではOK」と聞いている業者はきっと

「交渉の結果、礼金3,000円ですが安くなりました!」とか言うかもしれません(笑) 

2,000円を自分の懐に入れて。 

そういう立ち回りは、誰も不幸にしていないし、

むしろ3者とも得した気になって、うまいなと思いますけど。 

 

「エアコン・トイレ・ガス台変えてもらえませんか?」 

のような 

大家としてもあなた以降ずっと使える設備投資と思ってもらえるような交渉 

直接の値下げよりも通りやすいといえます。 

 

ともあれ、要求が通ってラッキー、通らなくて当たり前、 

通らなくても誰も恨まないくらいのスタンスが賢明です。 

 

さいごに

不動産(土地・建物)のお世話にならずに生きてくことはできません。 

日本中の誰もが、みずからが所有する不動産か 

他人の不動産を借りることでしか生活できません。 

それくらい、不動産というものは我々の生活からは切り離せないものです。 

にもかかわらず 

世間の「不動産屋」のイメージは 

ナカナカの最低ランクだろうと思います。 

「胡散臭い」 

「しつこい」 

「騙されそう」 

「単なる仲介屋」 

等々 。。

 

どこでもいいので不動産業者のホームページを見てください。 

必ずと言っていいほど 

「安心」「親切」といったキーワードがちりばめられています。 

これは、それほど「不動産屋」への世間のイメージが悪いということを自覚した上で

イメージを払拭しようとすることの裏返しです。 

もちろん、不動産屋のこれまでの悪行や素行の悪さ 

イメージ戦略等に問題がないわけではありません。 

ですが、世間の理解不足が 

不当に不動産屋をワルモノにしている面もあると思います。 

私の実感からすると 

多くの不動産関係者は、努力家の真面目な人たちです(よく言い過ぎました)。 

お客さんを騙して大金をせしめよう 

という業者及びそのスタッフというのが多数派ではないです。 

「やっぱりいるんかいっ!」 

というツッコミは当然ですが 

どの業界にも、よからぬ輩はいるものでしょう。 

この記事をお読みになって 

あなたの不動産屋(仲介業者)のイメージが向上したとは思いません。

イメージを向上させる意図もメリットも、私にはありません。 

が、業者の思考と行動が 

利益の構造上、理にかなったものだとは理解していただけたかと思います。 

誰がやっても、基本的には同じように振る舞うのです。 

業者の担当も、あなたと変わることのない 

ひとりの大人の人間なのです。

 

たったそれだけの理解を得ることで 

あなたのお部屋探しはずっと楽に、気持ちよいものとなることでしょう。 

この記事があなたの不動産屋嫌いの克服と 

お部屋探しのお役に立てれば、とてもうれしく思います。 

ではまた。

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