少し前に
君の好きだった「クレイジージャーニー」という番組が
現地で事前に動物を用意していたのを、あたかもその場で見つけたかのように
放送していたことが発覚し「やらせ」と糾弾され打ち切りになりました。
バラエティ番組にやらせはつきもの、むしろ演出の一環だから
容認してくれよ、という出演者サイドの意見があります。
クレイジージャーニーをバラエティだと捉えれば、打ち切る必要はなかったのか
クレイジージャーニーがドキュメンタリーチックだったのが災いしたのか
どちらにせよ
素人を使ってやらせをするのはいただけなかったのかもしれません。
父としては、「面白ければよい」というスタンスなので
やらせがいけないとは思わないし、
「やらせがないはずだ」と信じるのは幼稚すぎると思う。
例えば、父の知っている人がいつだったかバラエティ番組で密着取材を受けた。
お湯が100度になるような番組名です。
放送では、面白い素人さんに1日密着をしてみました
って感じでしたが
実際のところは、何日かにわたってスタッフに呼び出され、取り直しや演技指導を受けたらしい。呼び出されたのは目の前で見ていたし。
ほかにも素人に密着する番組はとても多いけれど
考えてもみてほしい
TVで放映して視聴者が面白いと思える振る舞いができる素人なんて
そんなにたくさんいるわけがない。
我々は普段、TVカメラの前で元気に動く「芸能人」という
きわめて特殊な技能と自己顕示欲を持った人をスタンダードなものとして受け入れています。
なみの素人では、緊張したり、声が小さかったり、表情が乏しかったり
とてもTVの放映に耐えられるものではないでしょう。
番組制作にも、予算と締め切りという時間の制約があります。
とすれば当然、番組スタッフが素人に演出をするしかない。
演出しないにしても、編集で面白いようにつなぎ合わせるでしょう。
例えば、Aのことで笑ったのに、Bのことで笑ったようにする
なんて朝飯前(a piece of cake)です。
出演した素人は、どのように放映されるのか事前にチェックできないし
バラエティ番組で面白く料理してもらえたことに対して
文句を言うのも野暮って気持ちにもなってくる。
どこの業界でも、やらせ、出来レース、忖度、入札談合などなどはある。
ないほうが公平性は高いに違いない。
でも談合とかは、「次はあなたね」といった相互扶助の一環という側面もあるのかもしれない。
父には何が正しいのかは、わからない。
いつだって、どこでだって、身内を贔屓する習性はなくならないだろうし
ガラパゴスな業界ルールも死守されるのでしょう。
こうあるべきだとの君たちの理想は大切に胸にしまいつつ
あるがままの現状を見つめながら、実際的な解決を見出すことが大切だと思う
今日このごろですね。
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