FXは基本的に
・安く買って、高く売り戻す
・高く売って、安く買い戻す
と反対売買という2つの行為をセットで行なって利益を得ます。
しかし、為替取引の中では
売っておしまい(買い戻さない)
買っておしまい(売り戻さない)
というケースも存在します。
具体例を挙げると
①日本の輸出企業は、売買代金をドルで受け取りますが
そのドルを日本円に両替するために
ドルを売って、円を買います。
ドルを買い戻さないで終了。
逆に
②日本の輸入企業は、売買代金をドルで支払うため
日本円をドルに両替するために
日本円を売って、ドルを買います。
それで終了。
①を売り切り玉 ②を買い切り玉
と呼ぶそうです。
では、売り切り玉、買い切り玉が相場にもたらす影響を考えてみよう。
①の(ドルの)売り切り玉
ある企業が大量のドルを売ったとすると
ドルの価値が下がるのでドルが下がり
円の需要が高まるので円が上がります。
つまりドル安・円高(1ドル100円が90円に、みたいな)
になります。
②の(ドルの)買い切り玉
はその逆でドル需要が高まるので
ドル高・円安(1ドル100円が110円に、みたいな)
になるでしょう。
ただ、数百兆円ものお金が動く為替相場の中で
上記のような実需による買い切り玉、売り切り玉の金額は
微々たるものなので、ドル円相場が何円も変動することはないとも言われています。
し、実際そうだと思います。
そんななかで、FXのトレード手法として
「仲値(なかね)トレード」というものがあります。
仲値とは、日本時間の午前9時55分に決まる
日本の銀行が外貨を売買する、その日のレートです。
朝から午前9時55分に向けて
米ドル /円のレートは円安に動きやすいと言われていて
その値動きを狙ったトレードスタイルが「仲値トレード」です。
「動きやすい」というのも、これは絶対ではなく、
動いたり動かなかったりで、経験則的にそうなりがち、というのを
「アノマリー」とも言う。
特にゴトー日と言われる
毎月5日・10日・15日・20日・25日・30日や
ゴトー日の仲値に向けては
より米ドル /円相場は円安に動きやすいとも言われています。
円安に動く理由として
・銀行が高く円を売りたいから円を買っている
・ゴトー日は輸入企業が外貨での代金支払いのためにドルを買う
が挙げられます。
本当でしょうか?
・日本の銀行が、短時間でドル円レートを動かせるほど資金を投入するだろうか?
・ゴトー日は輸入企業が、って、輸出企業の買い切り玉は考慮されていないぞ?
・ってか、輸入企業も輸出企業も、ゴトー日当日に大量に両替してるの?
なんて思っちゃうわけです。
大手の輸入企業も輸出企業も、為替の変動リスクは避けたいと思うのが当然で
その為替変動リスクをヘッジ(回避)するために
先物為替予約とか通貨オプション(そのうち書きます)
を利用しているはずです。
支払日当日、場当たり的に大量の両替をするほどバカではないでしょう。
毎日少しずつ両替して取得額をならすやり方もあるはずです。
少なくとも、私にはゴトー日や仲値決定に向けて
米ドル /円が円安に動きやすいというのは、しっくりこないのが実情です。
(月末に、売上のブレに基づく過不足分を両替することはあるようです)
むしろ、個人トレーダーたちが、無防備に米ドル /円は円安に動きやすいと
思っているのに乗じて、マーケットメーカーが価格を円安へ誘導し
油断をさせたところで円高に振れさせて儲ける。
という動きをしていると考えるのが妥当な気がしています。
アノマリーはアノマリーとして捉えたらいいし
売り切り玉、買い切り玉、仲値、オプション
そういうものがあるんだな、くらいで今日は、大丈夫です。
知らんけど。
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