「事故物件」という言葉がここ数年でかなりメジャーになりました。
「大島てる」という事故物件の情報を掲載している
無料サイトも有名になってきました。
事故物件とは
文字通りの「いわくつき」の物件のことです。
不動産業界での主な「事故」とは
自殺・孤独死・殺人事件などの「死」にまつわるものを指します。
日本の自殺者数は年間約20,000人
(2000年代はずっと30,000人を超えていました)
そして超高齢社会でもあります。
家の一室で誰かが死んでしまう
ということは決して珍しいことではありません。
そもそも、病院で死ぬということが普通なのも
ちょっとオカシイ気もしますよね。
家で死ぬ、ということ自体は別に普通のことです。
人が住んでいる土地で
過去に誰もそこで死んでいない土地を探すほうが難しいでしょう。
ですが、不動産の売買・賃貸に関わる人間にとって
「死」は「事故」と呼ばれるくらい
100%ネガティブなもので
めちゃくちゃ悩ましい問題です。
売買価格や賃料に反映してきますからね。
まずはどのような死を「事故」と言うのかが悩ましい。
高齢者の自然死はどうか
若者の急な発作での病死はどうか
一見自明に思える自殺でさえ
室内で死ぬ場合と
ベランダから飛び降りた場合と
ではどう違うのか??
次に、
その事実をいつまでお客さんに説明しなくてはいけないのか?
という問題もあります。
結論から言うと、マチマチです。
「建物がある限り一生」
「1年でいい」
「都会か地方かで違う」
「3回入居者が変わればOK」
とか。
事故の内容と地域差と物件のタイプは
それぞれ違いますから
一概に事故物件の告知義務の期間というものは定められないんですよね。
あなたはやっぱり事故物件はイヤですか??
イヤですよね(笑)
でも、知らなければ別に、って感じもしませんか?
私は別に教えてほしくないタイプですね。
だから事故物件の告知って難しいんです。
寝た子を起こすみたいですから。
でも、買い手、借り手としては
もしそういう事故の事実があるなら、知りたいし
知っていたら手を出さないのに
と思いますよね。
実は、不動産業者さんも、事故の事実について
知っている場合と、知らない場合があります。
知っていて告げないのはNGですが
知らないから告げないというのは避けられないですよね。
業者さんに悪意はないんです。
売却や賃貸を依頼するお客さんも言いたくないから
業者さんには黙っていたい心情もあるのです。
だから我々が100%事故物件を回避する、というのは
難しいんです。
でも、事故の事実を知らない業者さんと現地に行くとですね
近所のおばさんが「ここで人が死んだのよ」
とか言ってくるんですよ(笑)
お客さんはソッコーで逃げますよね。
このおばさん、ありがたいんだか何だか。
まあ、でもありがたいでしょう。買ってから知ったのでは遅いのですから。
ではまた。