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ビジネス 身だしなみの基本講座1 スーツ(紳士服)選び編

日本ではビジネスでの身だしなみについて

しっかりと教えてもらう機会がほとんどありません。

就職活動をするときになって、いわゆるリクルートスーツを買い求めるようです。

 

ヨーロッパなどでは、父から子へ、装いの教育がされると聞いたことがありますが

私は日本人だし、特に父から教えてもらったこともありません。

 

そこで、この機会に、私の知りうるビジネスでの身だしなみについて

全5回にわたり解説します。

これを読めば、どういうスタイルを選択すべきかが全て分かります。

いついかなるシーンにおいても100点満点の装いをするのは無理ですが、どんなシーンでも80点の合格点の装いをすることはできます。

おそらく、スーツや身だしなみの本については、数十冊は読んでいます。

また、スーツやシャツに投じたお金も100万円以上ですから、きっとお役に立てると思います。

 

ビジネスにおける装いで常に意識しておくべきは、悪目立ちをしないこと、につきます。

これから一緒に仕事をしようと考えている相手方に

不快感を与えないこと

できれば信頼をしてもらうこと

こそが、最も優先すべき事項で

あなたのスタイルがよく見えるとか、ワンポイントでお洒落を取り入れるとかは二の次です。

お洒落はプライベートで存分に楽しんでください。

せっかくお金を払って服を買うのですから、それらの目的を達成しやすいものを買いましょう。

(以下の画像は、オーダースーツSADAさんから引用しています)

 

スーツ選びについて

どのような洋服でも、サイズが自分の体に合っていることが最低限の条件です。

既成スーツであれ、オーダーメイドであれ、サイズが合っていれば大丈夫です。

 

色について

色は、黒、ダークグレー、濃紺(ダークネイビー)の3つから選びましょう。

ただし、真っ黒だと、たしかに正装ではありますが、気分が上がらないので

ダークグレーか、明るく見えない紺色(ネイビー)をお勧めします。

この2つの色であれば、たいてい失礼にはあたりません。

 

柄について

無地をお勧めしたいところですが

黒無地(喪服か)に限らず、無地を着こなすのは実はハードルが高いです。

おすすめは、遠くから見ると無地に見えるが、近くに寄ると、うっすらとストライプが見える程度

のものにしておきましょう。

決して、幅の太いストライプやチェック柄にしないように。

 

生地について

スーツの生地は、もっともスーツの価格を左右する要素です。

ゼニアをはじめ、イタリアやイギリスなどの高級とされる生地はウール100のことが多く

質感や肌ざわりの良さが特徴です。

予算に余裕があれば、ウール100%の生地をチョイスしたいところです。

 

ちなみに、スーツというのは、頻繁にクリーニングに出すものではありません。

特に、ドライクリーニングは、油で油を落とすという作業のため

ウールのスーツをクリーニングに出すと、羊毛に含まれる油分が落ちるため風合いが台無しになります。

 

私も最初、それを知らずにゼニアのスーツを頻繁にクリーニングしていたら

あっという間にヘロヘロのつんつるてんになりました。

最近は、クリーニング屋さんで高級生地に対応したものもあるので、1シーズンに1回くらいで充分です。

 

清潔好きの日本人には理解しがたいですが

「Yシャツを着ているからスーツは汚れていない」という感覚が西洋人にはあるようです。

 

シングルかダブルか

シングル

ダブル

とりあえず、シングルの2釦(ボタン)で大丈夫です。

シングルでは一番下のボタンは留めなくてOKです。

ちなみに、ボタンは、立っている時は上のボタンだけ留めて

着席する時はボタンを外してください。

よくTVでビートたけしさんが、スーツのボタンを留めたまま着席しているのを見ますが

スーツが極端にずれており、かっこいいものではありません。

そして、立ち上がるときにさっとボタンを留めるのがよいでしょう。

 

衿の形について

ノッチドラペルにしてください。

特に若い人がピークドラペルをしても似合いません。

 

ベントについて

ベント(vent)とは、背中の切れ込みのことで

乗馬する際にうっとうしいから切れ込みを入れたのが起源です。

好みが分かれるところですが、センターベントがお勧めです。

サイドベンツ(ベントの複数形)は、下から風が吹くとヒラヒラとめくれてお尻が見えます(笑)

(対策として、裏地に装飾の重りをつけてめくれないようにする粋な人もいます)

 

袖ボタンについて

お好きなものをどうぞ。

袖口のボタンは「本切羽(ほんせっぱ)」というボタンホールにボタンを通すタイプが

オーダースーツの特徴(既成のスーツのほとんどは、袖のボタンは飾りとして乗っているだけ)

のようにいわれておりますが、どうでもいいと思います。

ボタンホールの部分だけ、糸の色を変えたり

わざと一つボタンを外してみたりすることで

俺のスーツはオーダーだぜ」アピールをする人を何人も見ましたが、粋じゃない。

冒頭に書いた諸原則に反します。

 

ジャケットに関しては、他にも裏地やポケットなどの種類がありますが割愛します。

普通が一番。

 

パンツ(スラックス)について

ノータック一択です。

 

裾口について

シングルかダブルかは好みですが

シングルのほうがよりフォーマルだと言われています。

冠婚葬祭にも使えるのがシングルです。

 

前と後ろのポケットも普通が一番です。

 

以上が、スーツの選び方です。

興味が出た場合は、オーダーに挑戦してみましょう。

人間は腕の長さが左右で異なったり、いびつなのが普通なので

オーダーはそこに対応してくれます。

 

オーダーというと昔は香港の仕立て屋さんなどが安くて上質なものを作る

と言われていましたが

現在の日本でもかなり安く作成してもらえるようになりました。

オーダースーツのSADAさんは19,800円からで、Yシャツのオーダーもしてもらえます。

少し緊張しますが、店舗に足を運んでみてください。

 

 

 

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